2月22日申し入れを行いました

有朋寮「老朽化」の科学的検証、退寮者を被告から外すこと、などについて申し入れを行いました。

2月22日13時、およそ20名が集まっての申し入れです。申し入れ書を読みあげ、仙台高裁へ提出しました。集まられた支援者のみなさん、ありがとうございました。

申し入れ本文は以下に載せますので、参照ください。



申入書

2006年2月22日
仙台高等裁判所第１民事部　御中

東北大学有朋寮


　2001年9月に有朋寮へ「廃寮決定」が下された。しかし、この決定に正当性はな
く、違法・無効である。その不当性は、仙台地裁の判決及び高裁における控訴審の中
で、以下の二点に象徴的に表されている。

　一つは、「有朋寮の老朽化」について、一切の科学的検証を行っていないことであ
る。
　そもそも、東北大学当局は有朋寮廃寮の理由として「老朽化」なるものを学内外に
大宣伝してきた。であるならば、当然本訴訟においても「直ちに取り壊さなければな
らない程に老朽化しているのか否か」という点が厳密に検証されなければならない。
私たちは、それについて科学的に立証しようとして、一級建築士・増田氏の証人申請
を行っている。しかし、小野裁判長は未だ増田証人の採用すら行っていない。地裁判
決と同様、「老朽化」の科学的根拠は本訴訟に関係ないというならば、では一体何に
基づく「廃寮決定」なのか。仮にも万人に「公平」であり「法の体現者」であるはず
の裁判所が、科学的根拠に基づかないインチキな「廃寮決定」を追認するようなこと
は、断じてあってはならない。

　二つは、すでに有朋寮を退寮した寮生を、未だ「被告」と認定し続けていることで
ある。
　退寮した四名は既に有朋寮に居住していないのであるから、当
然被告から外されなくてはならない。四名の中には、東北大学を卒業し医師として社
会的使命に燃えて日々働いている者もいる。この四名をいつまでも被告の椅子に縛り
付けるとは、甚だしい人権侵害であり、常軌を逸した行為である。東北大学当局は
「退寮した本人が直接『もう寮に戻らない』という意思を示せ」と主張するが、その
ような法的根拠、学内規程はどこにもない。仙台地裁判決は東北大学当局のこの主張
を受け入れているが、小野裁判長も、被告の認定すらまともに行われていないこのず
さんな判決、及び主張に追従するのか。

　よって、以下の三点を申し入れる。
１）一級建築士・増田信彦氏を証人に採用し、有朋寮の「老朽化」を科学的に検証す
ること。
２）既に退寮した四名を、直ちに被告から外すこと。
３）控訴審において、「廃寮決定」そのものが違法・無効であるとする判決を下すこ
と。

　先日、東京高裁においては、立川市での自衛隊官舎への反戦ビラまきに有罪判決が
下され、また、横浜地裁においては、「横浜再審事件」への「免訴」決定が下され
た。まさに裁判所が「憲法の番人」の建前をかなぐり捨て、国家意思の代弁者（＝戦
争の水先案内人）へと成り下がったことを如実に示すものであり、絶対に許されるも
のではない。仙台高裁・小野裁判長が、東北大学当局の「廃寮決定」を追認すると言
うことは、まさにこれと同じ過ちを繰り返すことである。仙台高裁は、仙台地裁と同
様に国家権力の先兵となるのか。それとも、客観的根拠に基づいた公平・正当な判決
を下すのか。それが今強く問われているということを、最後に強く訴えたい。