カテゴリ:○有朋寮廃寮後こんな新寮が!?( 1 )
学生を徹底管理し、資本の食い物にするPFI型新寮!
【1】明らかになった「傷害事件」のねつ造と有朋寮「老朽化」の根拠ねつ造

(1)裁判所も認めた「傷害事件」ねつ造 大学当局は謝罪しろ

 9月21日、仙台高裁が出した判決によって、東北大学が「傷害事件」をねつ造したことが完全に明らかになりました。
 判決では「医師は『傷はすぐ見える場所にあった』と証言しており、(現場で)同僚が気付かないことはありえない」「現場に多数の大学関係者が居合わせておりながら、目撃証人が一人も出されていない。…あるべき証拠がなく、証拠不十分。立証していない不利益は免れることができない」と証拠や目撃者がいないことを認定。さらに「医師は『コブは認められなかった』と言っており、(西森証言とは)食い違う」「後で作った傷ということもあり得る」と「被害者」を主張する西森教授(農)の証言は信用性がないとし、「傷害は確認できない」と断じたのです。
 大学当局は、この事態を受けてどうするつもりなのか。西森教授に対して「大学として全面的にバックアップする」(菅井副学長:教育学部教授)とし、大学としてこの「傷害事件」のねつ造に荷担してきたことは重大です。何より暴力キャンペーンでもって、有朋寮の闘いの正当性に泥をぬってごまかそうとした大学当局のやりかたには怒りを禁じ得ない! 吉本学長は一人の労働者を警察権力に売り渡すことをなんとも思っていないのです! 大学当局、西森教授は中野さんに謝罪しろ!

(2)大学当局による「老朽化」の根拠ねつ造 

▼有朋寮は廃寮の必要無し 一級建築士が保証
 一級建築士・増田さんは、有朋寮を視察し、それをもとに作成した『意見書』において有朋寮は早急に取り壊す必要はないことを明らかにしました。
 有朋寮は「建築基準法・同施行令に基づく構造計算を経て建築されたもの」、「事実上、建設当時の構造計算は生きている」とし、「耐力低下事由は認められなかった。従って建物は十分耐力を有する」。
 さらに、大学当局が「5000点以下だから危険」として、「老朽化」の唯一の科学的根拠としてきた「耐力度調査」に対し、「『学校建物の耐力度調査』は、…地震時の建物の壊れやすさを表すものではない」「5000点以下という理由で建物を使用禁止にした例は知らない」。大学当局は何の根拠にもならない「耐力度調査」で全学をだまし、廃寮を決定したのです!

▼意図的数値引き下げが発覚した「耐力度調査票」
 裁判の中で出された大学当局側の『木造建物(一般建物)の耐力度調査票』を見た建築士増田さんは、意図的な数値引き下げがあることを明らかにしました。
 14cm角の柱の太さを『13.5cm未満』とし、『大壁』(柱を外部に表さないようにした壁)を『真壁』(柱を外に見せた壁)と記入しています。この数値引き下げを是正した数値は、一番低い棟で4915点となるものの、他の棟では、5343点、5284点、5106点となります。
 『耐力度調査』はそもそも廃寮の根拠にすべきものではないことに加えて、その「5000点を下回っている」という主張そのものが意図的に作られたものであったということではないか! 裁判の中で大学当局は「老朽化は関係ない」などという主張を開始しています。「寮生の身体・生命の安全のため」と称して停学処分までおこなってのたたき出しを進めておいて、いまさら何を言うのか! 吉本学長はただちに廃寮決定を撤回するべきではないのか!

【2】学生を徹底管理し、資本の食い物にする「PFI型新寮」 有朋寮をつぶしてこんな寮を作るのか!

(1)「豊かな資質を持つ学生」、「優れた能力や実績のある研究者」のための寮!

 他方で今年8月20日、有朋寮をつぶした後に吉本執行部が建てようとしている新寮に関する『要求水準書』が発表されました(東北大学ホームページ参照)。この『水準要求書』とは、建築業者や寮建設後の運営を担う企業を募集し、その業務内容を明確にしています。
『要求水準書』の冒頭「事業の目的」から、「効率的かつ効果的に本施設の建設、維持管理等を行い、21世紀の人材を育てるのにふさわしい学生寄宿舎を整備すること」と語り、「厚生施設」などという言葉は一切使われていません。「本事業の基本的コンセプト」の項では、「21世紀の世界をリードできる人材の育成を目的に、世界に開かれた大学として国の内外から国籍や人種を問わず豊かな資質を持つ学生と、研究教育上の優れた能力や実績のある研究者等を積極的に求める」と寮を位置付けています。学生一人一人を一個の人間として扱い、人権としての教育を保障するというものではなく、学生を国や大学にとって有益な「資源」かどうかで評価していく正反対の立場です。ここで「国籍、人種を問わず」といっているのは人権としての「平等」を謳っているのではなく、あくまで「有用な人材、エリートなら誰でも」と言っているにすぎない。一体学生を何だと思っているのか!

(2)寮生を徹底管理! 「内規」と一体の学生管理

 「管理業務」において、「入居者の選定」を大学当局の行う管理業務として定めています。今まで有朋寮が行ってきた入退寮選考の権利を、大学当局に移すというのです。今までどおり寮生が選考してしまうと、経済的弱者を優先的に入れ、経済的弱者のための寮になってしまうからです。有朋寮は、自治寮として、寮生の意見を話し合いによってまとめ、大学当局に対して団結して要求をぶつけていく中で、一方的な寮費値上げなどを許さず、生活を守り抜いてきました。こうした在り方をつぶそうとしているのです。
 「セキュリティ」の項では「入居者の入退室が管理事務室等で管理できる」としています。寮生の行動を監視し強烈に管理を行っていくのです。
 学内において大学当局は、朝鮮戦争の際に学生の弾圧を目的に作られた「内規」を、50年経った今年、適用することを宣言しています。ポスターやビラ撒き、立て看板から、サークルなどの団体結成まですべて大学当局の許可がなければできないという学生の主体性をとことん踏みにじった規程です。昨年新聞部が学長の「収賄」を報じた時、吉本学長は「まるで犯罪者扱いだ」と会議で問題にしました。内規はまさにこういった言論規制を可能にするものです。学生をキャンパスから寮に帰ってまでも徹底的に管理する! 抗議の一つも上げられないようにする! 吉本学長は大学の私物化をやめろ!

(3)経済的弱者をたたき出す寮

▼私物持ち込み禁止! シーツもテレビもすべてレンタル
 『要求水準書』の「事業概要」における「2、本事業の基本的コンセプト」では「新寮では私物をほとんど持ち込まないことを原則に、机や椅子等の学習等に必要な設備類はもちろんのこと、布団やシーツなどのリネン類についても、運営業務の一環としてレンタル方式により提供することとし、ボストンバッグ一つで来日(寮)し、…新生活がスタートできるサービスの提供」と語られている。レンタルするものはシーツ、枕、布団、毛布、足拭きマット、テレビ、ビデオ、パソコン、オーディオ、冷蔵庫、等々。そして「基本的にパソコン以外の家電を入居者が持ち込むことを禁止する」と明確に打ち出しています。これらすべてを企業が「独立採算性で行う」というのです!

▼「民間のノウハウ」で寮費を徴収!
 さらに凄いのは「寄宿舎費等徴収代行業務」があることです。これは「民間の料金徴収のノウハウを活用することにより、徴収業務を効率化し」ということを公然と書いている。要は法的措置も辞さずの血も涙もない徴収がゴリゴリと行われていくということです。
 「管理業務」では「入居者に対する改善勧告」を業務内容に含み、「本学の学生寄宿舎規程等に従わない者、若しくは、他の入居者に対して迷惑行為を行う者に対して改善勧告を行う」となっています。

▼生活すべてが企業の食い物に! こんなものは寮ではない!
 「傷病人への対応業務」、その他にもコンビニ、書店、バイト紹介やカウンセリングといったものまですべて独立採算の企業の業務です。これが、厚生施設を否定した「寮」の実態です。寮生は、音楽を聞くことから、健康、食事、就寝に至るまですべて企業の収奪にさらされ、いざ金がなくなればたたき出されるのです。
 有朋寮は、声を大にして言いたい。こんなものは「寮」ではない! 有朋寮は学生の手によって、相互に助け合いながら厚生施設として運営してきました。バッグ一つできても、先輩や友達の物を借りたりして生活したり、水光熱費も寮生で話し合って決定し、すぐに払えない人にも互助会なども作って対応しています。寮とは相互団結し、助け合いながら、生活を守っていくものです。「PFI型新寮」のように、各人が分断され、管理され、生活すべてが企業の食い物にされていく、金が払えなければたたき出されていく、そんな息苦しい「寮」など断じて認められない!

【3】教育基本法の改悪が大学を一変させる

 この「PFI型」新寮への転換は、教育基本法の改悪の方向と全く同じです。教育基本法改悪は、「国家のための教育」を掲げて、根本的に教育の位置付けの転換を図ろうとしています。この中で「国立大学の法人化」や、今回の「PFI型新寮」のように、大学の位置付け、寮の位置付けも抜本的に変えられようとしているのです。東京で行われている、「日の丸・君が代」の強制、教員への処分や、都立大の廃止という、徹底的な攻撃もこの流れそのものです。教育基本法の改悪では、「教育の機会均等」を破棄し、エリート教育、差別・選別教育への転換が狙われています。「21世紀の世界をリードできる人材の育成」「豊かな資質を持つ学生と、研究教育上の優れた能力や実績のある研究者等を積極的に求める」という「PFI型」新寮の規定は、全く同じ意図に貫かれたものです。東北大学はまさに石原都知事が進んでいる道をともに進もうという決断をしきったのだということです。こんなことを絶対に許してはならない!

【4】全学生・教職員は、廃寮決定撤回、無期停学撤回の声を上げよう! 教育改革-法人化反対!

(1)有朋寮廃寮反対、「PFI型新寮」反対の声を上げよう!

 このような「PFI型新寮」の建設を絶対に許してはなりません。大学当局は有朋寮への攻撃を突破口に、全寮へと拡大しようとしています。今年10月5日付け「学生協だよりNo.27」では、「女子学生、大学院生並びに留学生」の対応に関して、「既存学寮の入寮枠組みの抜本的な見直しや、設備の改修などを考慮していくことがこれから必要になる」と、既存の他の寮の位置付けをも大転換していくことを宣言しています。有朋寮廃寮阻止-PFI型新寮建設阻止の闘いが、東北大学の全寮を守る一大焦点です。

(2)Fくんへの無期停学処分を撤回させよう

 この学寮の一大転換のために行われていることは何か。240人もの学生の生活を保障できる有朋寮の廃寮、寮生のたたき出し。そのための親への脅し、他寮への入寮禁止処分、奨学金を人質にしてのたたき出し。これらすべてを「寮生の身体・生命の安全のため」と称して行われてきたのです。そして何より、1年と9か月も続いているF君への無期停学処分こそ、その最たるものです。この処分の根拠こそでっち上げられた「老朽化」を根拠にした「廃寮決定」です。大学当局が目的のためならば学生の就学の権利だろうが、人生だろうが無情に踏みにじるという姿がここに明らかです。ここまでして推し進める理学部執行部・吉本執行部こそ、大学から出ていけ!

(3)内規撤廃! 法人化許すな! 吉本執行部による大学の私物化許さない!

 現在F君に対する無期停学処分の攻撃を全学生に対してかけるものこそ内規の攻撃です。印刷物の検閲、団体の結成・継続の許可制、デモも世論調査も全部許可制です。いざ大学当局に対して声をあげようものなら、すべてたたきつぶすということです。教職員に対しても「政治活動の禁止」などの攻撃がかけられています。
 大学を自由な創造の場から、国益のための研究・教育の場としていく。学生をガチガチに管理して、反対すれば処分も辞さずたたきつぶす。吉本執行部が大学を私物化し、目指す大学像はそういう大学だということです。吉本学長は学生の生活やサークル活動などの主体的活動などどうなってもいいと思っているようなやつなのです!
 全学生・教職員に対して、教育基本法改悪-国立大学法人化に則って、大学丸ごとの大転換の攻撃がかかっているのです。全学生・教職員がともに声をあげる時です。全国各地で、教育改革との闘いが、「日の丸・君が代」拒否の闘いを先頭に大きく開始されています。東北大学でも、この闘いとともに闘いに立ち上がろう!
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by ufo_ryou | 2004-10-25 00:11 | ○有朋寮廃寮後こんな新寮が!?