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弾圧粉砕の御礼と報告
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                       12月29日  有朋寮  深田 力

(1)昨日28日午後5時、みなさま方のご支援と激励に強く支えられ、完全黙秘・非転向の闘いを貫いて無事に不起訴釈放をかちとることができました。本当にありがとうございました! 直接御礼を申し上げることがかなわないことは申し訳ありませんが、この場をかりて厚いご支援に感謝します。有朋寮生、東北大生・寮生、地域の労働者・市民の方々、そして全国の仲間からの檄文・激励、カンパ、メッセージに励まされ、不当逮捕に手を染めた警察権力・検察と闘い抜くことができました。あらためて、心より御礼申し上げます。そして、全金本山労組・中野七郎さんに対する「傷害」でっち上げと80日間の勾留、11・29弾圧に対する闘う学生への22日間の勾留とは比べものにならない短期間ではありましたが、私の13日間の報告をさせていただければ、と思います。

(2)まず、さらなる10日の勾留延長をつけることができずに、12月28日をもって釈放せざるをえなかったこと。この事実そのものが、今回の「公務執行妨害」なる逮捕がでっち上げであり、不当なものであったことを明白に証明しているだろうと思います。検察は「(機動隊員を殴打した)証拠はあるんだ!」「起訴すれば絶対に君は有罪だ」などと強がっていましたが、結局は社会的な批判の声に包囲され、追い詰められて勾留延長請求すらできずに敗北を自ら認めたのだろうと思います。

(3)事実はこうです。12月16日、私は有朋寮門前にて、大量の機動隊や私服警官を導入した強制執行に強く抗議し、多くの学生・地域の仲間とともに、東北大学当局と執行官はただちに当事者である寮生の前に出てきて説明責任を果たすべきであるということを要求していました。そして、私たちを排除しようとする機動隊員との激しいもみあいの中で、警察権力は突如「公妨だ!」と騒ぎ立てて私を盾の内側に引きずり込んで手錠をかけ、仙台南警察署に拉致していったのです。抗議の声を暴力をもって排除しようという、警察権力と大学当局による汚い「事件」ねつ造でした。

(4)公安刑事による「取調べ」なるものは、まったく許せない転向強要そのものでした。「有朋寮の闘いなど誰も支持してないんだ!」「お前はみんなに見捨てられたんだ」などと誹謗中傷し、「国の決定に逆らうな」「東北大学は有朋寮生と話し合う必要なんてなかった」と露骨に大学当局を擁護し、あげくの果てには私が黙秘していることにいら立って「政府の金でつくっている官弁(留置場のおいしくない弁当のこと)をよくも食えるもんだ。それはてめえが帝国主義に屈服したってことなんだよ!」などとわめきだす始末で、まったく破産しきったものでした。私は一度として「弁当を食わせろ」と要求したことはないのですが(笑)。今回、警察や検察の日頃の居丈高な態度と、その裏返しの脆弱さをはっきりと見ることができて、私は非常に勝利感に満ち満ちています。そもそも彼らは、不正義に対して闘っている労働者や学生はすべて「だまされた人たち」としてしか見ることができないのであって、民衆が自主的・主体的に怒りを燃やして立ち上がるということを絶対に理解できない、見据えられないのです。

(5)話は変わりますが、41戦41勝(41KO)、法政大学40人と東北大学1人の弾圧を起訴を許さずに完璧に粉砕! これが2006年における日本学生運動の成果です。強いですね(笑)。負けても学ぶことは多いですが、やはり勝つことは気持ちいいものです。12月20日には法政大学で不当逮捕された3人の仲間(東北大生1人含む)を無事に奪還することができ、28日の勝利をもってきっちりとけじめをつけることができました。みなさま方の暖かいご支援のおかげです。ありがとうございました。教育の反動化、権利剥奪と自治破壊、御用大学化という攻撃に対して一歩もひかずに反撃を組織し、これだけの弾圧を出しながらもすべてはね返してきたというのは、近年の歴史でもなかったのではないかと思います。もちろん、根底にあるのはすべての反対意見を暴力でもって押しつぶそうとする安倍政権(およびそのお先棒を担ぐ大学執行部)のファシスト的踏み切りがあったことは間違いありません。しかし、それはあくまで物事の半面にすぎないのであって、重要なことは、それに萎縮して闘いを後退させたり「合法化」させていくのではなく、あくまで原則にのっとって攻撃を引き受け、団結を固めて広範な大衆的反撃で立ち向かうという闘いの質を私たちが持ち発展させることができたことにあると考えます。41の勝利でもって、日本の学生運動は大きく飛躍して07年に飛び込んでいくことができます。原則は絶対に曲げないから原則たりえること、あくまで団結の強化で反撃していくこと。私はこの立場を、全金本山労働組合34年の不屈の闘い、「日の丸・君が代」不起立の教育労働者の処分を恐れぬ闘い、そして動労千葉(国鉄千葉動力車労働組合)から学びました。

(6)さて、有朋寮への強制執行についてです。16日は、本当に全身の血が逆流するような怒りを覚えました。できることなら、居並ぶ機動隊員やガードマン、大学当局と執行官を全員叩きのめして、有朋寮の敷地に突入したかった。寮生が教育基本法改悪阻止のために国会闘争に向かったところでコソ泥的に強制執行を行なったこと、暴力的手段に訴えたこと、すべてが許せませんでした。あの日の姿こそ、寝耳に水の「廃寮決定」、署名受け取り拒否、一切の話し合い拒否の東北大学当局の腐りきった姿勢の集大成でした。53年の歴史を誇り、私にとっては学生の自治・団結の象徴であり、数千人の先輩方の血と汗と笑いがしみこみ、地域の方々に愛され育ててもらった有朋寮の建物が、権力によって土足で汚らしく蹂躙されるなんて、絶対に認めることはできない!

(7)しかし、一方で私は、この有朋寮強制執行の報告を、怒りと糾弾のみならず、断固とした勝利感をもって行ないます。これは偽らざる本音であり、古郡陸委員長をはじめ、闘う有朋寮生の総意として言えると確信しています。この点について、簡単に述べさせてください。
▼たしかに強制執行は悔しい。今すぐに有朋寮を全学生の手に取り戻したい。そして、いろいろな角度からであれ「建物が破壊されたのだから、有朋寮の闘いは敗北なのではないか」というご意見があることももっともだろうと思います。しかし、私たちはその立場には立ちません。「寮生が国会闘争に行っていたことは知っていたんだ」という取り調べ刑事の言葉にあらわされているように、有朋寮生が古郡委員長を先頭に教育基本法改悪阻止のために全力で東京で闘っていた時に、コソコソと敵は強制執行に踏み切らざるをえなかったということも事実なのです。たかだか数人にすぎない有朋寮生の、いったい何を敵は恐れていたのか、ということです。国家権力の巨大・強大な物質力をもってすれば、普通に考えれば03年3月31日の「廃寮期限」の時点、もしくは昨年9月の第一次強制執行阻止決戦の段階で有朋寮を簡単に押しつぶせていたであろうことは容易に予想できます。ではなぜ、敵はずるずると強制的手段に踏み切れず、最後は闇討ち的な方途しかとりえなかったのでしょうか。
▼何よりも、2001年9月12日に一方的な「廃寮通告」が行なわれてから5年と3ヶ月(約1900日)。大学当局の設定した「廃寮期限」から3年と9ヶ月。いったい誰が、有朋寮の闘いがここまで長期に持続され、広範に拡大することを予想していたでしょうか? 古郡委員長が4年になんなんとする前代未聞の「無期停学」攻撃に屈せずに頑張りぬくことを予想していたでしょうか? 地裁、高裁段階で「強制執行停止」決定をかちとって、寮明け渡し裁判では異例の最高裁まで闘いを持ち込んでいくことを予想していたでしょうか? もちろん私たちも予想はしていませんでしたし、闘いは予定調和的にいくものではなく、その時々の力関係の中で必死に戦術を考え、支持を訴え続けてきた上での結果がこのようなかたちになったということだろうと思います。
▼だからこそ、なぜ有朋寮は団結してここまで一歩もひかずに闘うことができたのか、支援を拡大することができたのか、弾圧をはね返すことができたのか、地域で共闘することができたのか、古郡は処分に屈服しなかったのか、この点で自らの切り開いてきた闘いの質と内容の勝利的な面をはっきりさせ、そしてまた、至らなかった面もはっきりさせていく必要があるだろうと思います。それらを踏まえた上で、私たちは自らが学生運動の前進のために決定的なものをつくり出して積み上げてきたということを、勝利感をもって報告したいです。
▼廃寮を阻止できなかったことは残念です。しかし、およそ現在の情勢は私たちがそのような地点に踏みとどまることを許してはくれません。むしろ私たちは、この有朋寮の闘いの中で学び取ったことを全国で教訓化し、どうすれば団結して勝てるのかを徹底論議し、次なる闘いで百倍千倍にして敵に仕返しをしてやることに目が向いています。2001年9月、私たちは雲をつかむような思いで手探りで闘いを開始しました。これからは違います。弾圧、処分、裁判、キャンパスでの闘い、そして当局・権力との非妥協のやりあい、勝つための重要な教訓が私たちの5年9ヶ月の闘いに詰まっています。そして何よりも、私たち有朋寮生が「権力何するものぞ!」「団結して闘えば勝てる」と自信を深めて、これからもよりいっそう、全国の闘う仲間とともに闘いを継続していくということが、敵に対する最大の反撃だと思います。私が寒い留置場で想い続けた二つのこと、それは「闘いはこれから!」「有朋寮はつぶせても有朋寮生の闘魂と団結は絶対につぶせない!」ということです。

(8)私および有朋寮生が、各界で活躍される有朋寮OBの方々、そして全国で苦闘しつつも笑顔を失わないすべての学生・労働者・市民の仲間とともにこれからも不屈に闘い続けることを固くお誓いして、御礼と報告を締めたいと思います。戦争と暴虐、差別と抑圧のない社会をつくるために闘う全世界の仲間とのスクラムを拡大して闘っていく決意です。最後に、改めて数多くのご支援に心から御礼申し上げます。ありがとうございました。07年も元気に闘いましょう! 闘って闘って闘って、そして団結して未来を切り開きましょう! それでは、みなさんよいお年を。 (了)

■奪還することはできましたが、強制執行で生活が奪われたことともあわせて、今回の弾圧で多額の救援費用がかかりました。ぜひともさらに救援カンパをお寄せください。
郵便振替:02210-2-61153 東北大学有朋寮
by ufo_ryou | 2006-12-29 19:47 | ●闘争報告
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